VMUG Leader Summit 2022

2022 年,みなさまいかがお過ごしでしたでしょうか? 本業の方で仮想化基盤系を殆ど触れない日々が続いていて,振り返ってみれば Blog も 5 月の投稿が最後,Advent Calendar のお誘いが無ければこのまま越年してしまうところでした.Go さん,毎年強制的に機会を提供してくれてありがとうございますw!

まだまだ VI-Admin の領域から大きく翔けていないユーザーの私が,錚々たる vExpert のみなさまに技術面で太刀打ち出来る訳もなく,しかしながら @shirokimuAdvent Calendar 参加を強要した建前もあるので,柔らかながら絶対ネタ被りしない VMUG Leader Summit の報告でも書いてみたいと思います.

★ VMUG Leader Summit とは?


 VMUG はグローバルなコミュニティなので,世界各国に VMUG Chapter があり,Japan VMUG もその 1 つです.US やカナダ等は州毎に Chapter が存在します.Leader Summit はそれぞれの Chapter Leader が一堂に集う会で,VMware 社が目指す方向性をいち早く共有し,Leader に相応しいスキルを身につけるための様々なトレーニングを 2 日間かけて受講します.2017 年より VMware 本社のある Palo Alto で開始されてきていますが,私は幸運な事に 2019, 2020 年と連続で参加出来ました.Covid-19 の影響で暫く対面開催が出来ない状況が続いていたのですが,2022 年はようやく 12 月 6 - 7 日に Lisbon にて再開,今回も運良く参加することが出来ました.(まだ Palo Alto での開催が難しかったのかと思います.来年はまた JeffRosie たちにも会えるといいなぁ.)

★ 到着日の Activity


 旅費は全て VMUG HQ 負担なので SAP Concur で申請します.日本から Lisbon への直行便が無いため,London 経由で 12 月 5 日の夕方着でフライト確保したのですが,運良くスケジュールが早まってくれて,お昼には Lisbon 空港に着きました.検疫や入国審査も全く厳しくなくて,出口で VMUG スタッフを探す方が大変でしたw.
 地下鉄のチケットを受け取り,London で合流した El Paso の Leader Mark と一緒に今回の会場となる Tivoli Oriente へ向かいます.彼とは 2019 年 Dell Technologies World の CONVERGED User Group で会って以来.偶然ですが,二人ともその時ゲットしたお揃いのバックパックを背負ってました.
 部屋にはすぐにチェックイン出来たので荷物整理していると Romania Leader の Razvan からラウンジへ降りて来いとのお誘い DM.当日の現地時間 15:00 から日本 VS クロアチア戦だったのです.最初は二人で試合見ながら呑んでましたが,続々と Leader が増え,途中から様々な話題で盛り上がってサッカーどころでは無くなり...しかも Reception 開始時刻となったので結末を見ず会場へ移動となりました(^^;.
 Reception 会場の Sky Bar は貸切,既に大勢の Leader 達で賑わっています.
 Executive Director の Brad, President の Adrian から挨拶があり,懐かしい面々は勿論のこと,新たに参加した Leader 達と親睦を深めます.当然時間は足りないので,会場を追い出された後も有志で近くの Pub で延々と呑むわけで,このあたりは Japan VMUG の対面イベント開催時と一緒ですねw.

★ Day 1


 遅くまで呑んでも,翌朝からはしっかりとセッション参加です! Agenda はこんな感じ!Legend ばかりで贅沢過ぎですw.
 Leader Summit 参加前に NDA 署名させられているのですが,多分概要なら大目に見てもらえると思うので,印象に残っているポイントだけ共有しますね.


"What Next?" - Joe Baguley
 Joe の話を直接聞くためだけに EMEA に飛びたいくらいセッションがユーモアに溢れ,しかも内容が濃い.2019 の VMworld EMEA でお会いしてからずっと彼のようなプレゼンが出来たらと尊敬しています.今後我々が着目すべき 10 個の Topics について語ってくれました.
 - Skills
 - ESG(環境,社会,ガバナンス) :必然.価格でキャンペーンをひっくり返す
 - Commodity Hardware :サプライチェーン問題
 - AI :3-5 年後にワークロードのメインとなる
 - Robots :人間とロボットが交流する未来への対応
 - Social Media Super Apps :活用できたら社会が変わる
 - Metaverse
 - Hybrid Working :完璧なバランスが見つかっていない
 - Cloud First Is Not Cool :Cloud Smart へ
 - Telcos, Cloud Providers, Edge & 6G


"Six Fundamentals for Advancing Your Career" - Duncan Epping
 https://www.yellow-bricks.com/ でお馴染み Duncan ですが,このセッションはテクニカルなものではなく,どうやって彼が Chief Technologist になったのか,実体験を交えたアドバイス満載のセッションでした.本当に賢い人は自分が何を知らないかを認識出来る,だから日々努力を積み重ね,自分の強みと弱みを考慮した上で,到達可能なゴールを設定すると.また,人にはそれぞれ様々なジャンルにおいてパニックゾーンと快適ゾーンがあり,それら二つのゾーンが交差する部分が学習(に適した)ゾーンなのだそうです.  快適ゾーンから勇気を持って踏み出し,パニックゾーンで挫けずに自分の弱点を確認し,学習ゾーンで適切なゴールを設定してチャレンジすることで成長し快適ゾーンを広げていく,このサイクルを習慣付けるのが大切なんですね.がんばりましょう!


"Kubernetes for vSphere Administrators" - Cormac Hogan
 事前アンケートで関心のある分野を Container, Automation, Agile, AI/ML から選択させられていたのですが,まさかスピーカーが Cormac だとは夢にも思いませんでした.事前に知っていたら本持参してサイン貰えたのに...(ちなみに Agile Principles は 2019 年に日本にも来てくれた Scott Lowe, Machine Learning/Data Analytics は Frank Denneman ! ). セッション内容は Kubernetes の基本からこれまでの VMware 製品群の変遷と今後の方向性 (+ 新機能のチラ見せ) でした.サインは次回という事で,セッション後に Saskatchewan Leader の Dion も無理矢理引っ張り込んで記念撮影させてもらいましたw.

 魅力的な Breakout をあえてパラレル開催した理由は,その直後の Lunch Timeで別セッションに参加した Leader 達と情報交換するためなのだそうです.ただ,ポルトガルはお昼にワインが出てくるので,どこまで意図した通りの交流になっていたかは怪しいかもw.

 午後はガラリと趣向が変わり,複数のチームに分かれて Lisbon の町へスカベンジャーハントに出かけます.とはいえ,物を集めるのではなく,封筒に入ったヒントからその場所を探し出してチームの Selfie を撮って回るというゲーム.チームはネームバッジについた色で分けられます.チーム名を決める際,Barcelona Leader の Russell が Green の日本語にしようと言い出してチーム名 "Midori" で出発しました.ポルトガル語が全く分からない私は殆ど役立たずでしたが,歩き回りながらそれぞれの国のコミュニティ活動や IT の状況などなど雑談の方が盛り上がり,Mission complete こそ出来ませんでしたが新たなネットワークを構築することが出来ました.

 セッション会場に戻ってからは,VMUG ミーティングの新しい在り方について,その後は Regional Champion パネルと続きます.Regional Champion Leader は複数の Chapter を地域毎に面倒を見る Leader で,Japan も APJ Region 配下となるはずなのですが,他の国と違って共通言語を持たないことからか,私の知る限り Regional な活動があったという話は聞いていません(正直 APJ の Regional Champ が誰なのかも知らないw).
 ただ,このプログラムが無くても,Twitter や Slack で他の Leader 達から質問や相談をされるので,Japan VMUG の活動方針や方向性等は随時共有しています.

★ Day2


"Build to Happiness, Community Service Activity"
 前日のスカベンジャーハントで親睦の深まった各チーム毎に,ベビーベッド,ベビーチェアとクローゼットを組み立てて,現地の Ajuda de Berço (養育施設) に寄付をするという活動です.これも取説読んで指示する役,ひたすら肉体労働,アーティストのようにお絵描きなど,役割分担して進めて行きます.Baby Containers の Build & Deploy ですw.
みんなで協力してやり遂げた達成感と,Ajuda de Berço の方々からの感謝の言葉で,もう涙腺がかなり緩くなっていましたが,IT 以外のコミュニティも全て Volunteer 精神に支えられていて,ジャンルや文化や言語は違っていても支え合う姿勢は一緒だという事を改めて実感しました.


 最終日のプログラムの締めは Cormac, Duncan, Frank の Legend 3 人による Demo ! Duncan に 「Tweet したら二度と VMUG に話に来ないからね!」と釘さされたので内容は書きませんが,もうこれだけでも遥々 Lisbon まで来た甲斐があるくらい楽しいセッションでした.

 他にも書き切れないほど多くの Activities の詰まった三日間はあっと言う間に終わってしまいました.参加している全 Leader がとても献身的で,情熱的で,好奇心旺盛で,帰りの飛行機の中で独りになった瞬間から別れの寂しさに襲われてしまうのです.毎回 Leader Summit で刺激を受けた後は,自分の Leadership に不甲斐なさすら感じていました.でもこれからは Duncan のアドバイスを噛み締めながら,パニックゾーンと上手く付き合えるよう気持ちを立て直して 2023 年も精力的に活動して行きたいと思います.

みなさま,来年も Japan VMUG を宜しくお願いします!


※ 明日 vExperts Advent Calendar 2022 のトリを務めるのは Satoshi Imai さんです.お楽しみに!