vSphere Tag for Rubrik SLA Domain

 Rubrik を使い始めたのは CDM 5.x の頃だったのですが,Non-IT 系が多数を占める私の職場では当時 Tag の概念を理解してもらうのが難しく,VM Folder に SLA Domain を適用して「適切なフォルダに VM 入れといて」という日和った運用をして来ました.しかしながら,VM Folder の利用を別の用途で優先すると Backup の SLA と要件を揃えられないケースも出てきます.ようやく今年の vSphere 基盤リプレース時に,vSphere Tag で SLA Domain をアサインする運用に切り替えることが出来たので,簡単に手順を纏めておきます.


vSphere Tag の作成 ( vSphere Client )


vSphere Client の Tags & Custom Attributes メニューから,まず新しい Category を作成します.実運用では SLA Domain の数だけ Tag を作ることになるので,Category で纏めておくと管理が楽になるかと思います.


 1 つの VM に複数の SLA Domain をアサインできないので,Tags Per Object は "One tag" を選択し,Associable Object Types は "Virtual Machine" のみにしておきます.


 続いて,Tag を作成します.Name は SLA の内容 ( Snapshot 頻度は 1 日 1 回,Retention 30 日間で 23:00 - 4:00 の時間帯に取得 ) が分かりやすいように,S1-R30-2300-0400 としてみました.Category では直前に作成した Rubrik を選択して "CREATE" します.


 早速この vSphere Tag を vSphere Client の Inventory から SLA を適用したい VM を選択してアサインします.これで vSphere 側の準備は完了です.



SLA Domain の作成 ( RSC )


 続いて,Rubrik Security Cloud (RSC) 側で SLA Domain を設定していきます.Data Protection の SLA Domains から "CREATE SLA DOMAIN" をクリックして進めます.


 まず Data Center Objects の選択です.もちろん "vSphere VMs" にチェックを入れます.2 つ目の画面で Snapshot を取得する頻度と Retention の期間を入力し,Snapshot window を実運用に影響の少ない時間帯で設定します.


 Wizard を進めていくと Archive と Replication の SLA 設定ができます.私の環境では両方ともありませんので,そのまま進めます.


 Continuous Data Protection ( CDP ) はゼロ RPO を目指すミッションクリティカル VM 向けなので,今回の日次 Snapshot の SLA ではオフのままにしておきます.Retention Lock は CDM で運用している頃は Rubrik 社のサポートに依頼して Enable にしてもらう必要があったのですが,RSC からはユーザー自身で操作が出来るようになったようですね.(オフのままで進めます.)


 Confirmation 画面で SLA Domain name を入力して "CREATE" で完了です.SLA Domain name は vSphere Tag Name と合わせてみました.ちなみに,作成された SLA Domain の Audit を参照すると,誰がいつ作成したのか確認することが出来ます.



vSphere Tag と SLA Domain の紐付け ( RSC )


 最後に vSphere Tag に SLA Domain をアサインします. RSC の INVENTORY で Data Center -> vSphere VMs を選択します.

 vSphere VMs 画面の TAGS タブで,vSphere Tag を設定した vCenter をドリルダウンし,SLA Domain と紐付けたい Tag を選択して,"MANAGE PROTECTION" をクリックします.


 先程 RSC で作成した SLA Domain を選択して Confirm するだけです.簡単ですね!


 RSC で対象の VM を確認すると,SLA Domain がアサインされていることがわかります.




 運用レベルにあわせた SLA Domainと vSphere Tag を事前に用意しておけば,あとはそれぞれの VM に vSphere Tag を付けるだけ.インフラエンジニアが不足する今の時代,vSphere + Rubrik はバックアップ運用負荷を軽減できる素敵な組合せだと思います.